院長の「JoJoブログ」

ハロウィン

2012-10-02 19:47:07投稿

                                                           

10月になりやっと秋らしくなってきた。

毎年10月は、ハロウィン月間として、当院では、お菓子をおいて、患者様にご自由に持ってかえっていただくようにしている。
本当は、ピンクリボン月間として、乳がん検診の啓発運動を行う方が妥当なのだが、おかげさまで、マンモグラフィーの希望者は多いし、当院にとっては10月が特別ではないので、ハロウィンのほうを重視させてもらっている。

私が、ほかの年中行事よりも、ハロウィンをとりあげるのは、アメリカに住んでいたころの思い出を消さないためという気持ちがある。端午の節句や雛祭りなど、日本にも子供向けの季節行事があるけれど、ハロウィンで、お菓子をもらってまわるというのは、まず、日本ではどこの地方でも行われていないと思うからだ。

97年から99年にかけて、私が住んでいたアメリカ、ボルチモアの郊外でも、おそらくアメリカでは一般的であろうハロウィンのお楽しみがあった。子供たちが、近所をまわり、「Trick or Treat」と言って、お菓子をもらって帰るのだ。

初めて当日をむかえる前には、近くに住む日本人に、「大きな箱に適当にお菓子を入れて、それを差し出して、子供たちにとらせたらいいよ。一度にたくさん入れておくと、たくさん持って帰られるから、何回にもわけておいたほうがいいよ。」というアドバイスをもらい、言われた通りに準備しておいた。
そして、10月31日の当日。陽がかたむきはじめたころから、次から次に、いろんな子がやってきた。まだ小さいよちよち歩きの子も、親に連れられて、結構くる。住んでいたところは、外国人の多いアパート群だったが、訪ねてくる子供の多くは、白人、または、日本人だった。そんな中、驚いたのは、黒人の7歳くらいの元気な男の子がやってきて、いきなり、「おばちゃん、これとっていい?」と日本語で叫んだことだ。あまりに普通の日本語にびっくりしていると、「ありがとね」と言って、次の家庭に向かっていった。黒人の子供が日本語をしゃべるという現場を見たことがなかったので、びっくりしたけれど、あとになって、きいたところが、その子は半年くらい前まで、お父さんの仕事の関係で日本に住んでおり、その子にとっては、英語よりも日本語の方が普通で、アメリカに来てからも日本語の通じる日本人とばかり遊んでいるとのこと。さすが、アメリカ、いろんな人たちがすんでいると、感心したものだ。

次の年の10月31日は、子供を通じて知り合った現地のアメリカ人家庭のパーティーにお邪魔した。その家では、適当にリビングに家族なのかそうでないのかわからない人々がくつろいでいて、勝手にいろんな人が出たり入ったりしていた。特に断わりもなく、近所の人が入ってきてピザをつまんで出ていくのも、アメリカだなあと感心。
そして、当時まだ2歳だったわが子を連れて、その家庭の近所(もちろん面識なし)をまわったが、どの家でもやさしく迎えてもらい、息子も、「Trick or Treat」を連発することをマスターし、お菓子をゲットして大喜びだった。

そんなアメリカでの生活。とても楽しい思い出のハロウィンを忘れないために、当院ではこれからも10月はピンクリボンでなくハロウィン月間でやっていくつもりである。