院長の「JoJoブログ」

ビンディングペダル

2015-06-14 23:18:22投稿

「トライアスロンをされるのかと思いましたよ」
いつもお世話になっている自転車ショップのお兄さんのセリフである。
マラソンして、ロードバイクも乗っているというと、必ず言われる言葉だけど、神に誓って私はトライアスロンをする気はない。もともと、健康のためにランニングをはじめ、ランニングよりも、体のあちこちが痛くならないからということで、自転車を始めたのであって、これ以上のスポーツにチャレンジする気は毛頭ない。

まあ、そんなことはおいといて、何度も通っているお店の方に、なぜ、今頃トライアスロンだなんて言われたかというと、私がビンディングペダルを注文したからである。

ロードバイクのことを知らない人に、ビンディングといっても、何のことかわからないだろうが、要するに、自転車に乗るとき、足を固定してシューズとペダルが離れないように、金具で留めることだ。シューズの側には、クリートと呼ばれるフックのようなものがついており、ペダルには、そのフックをうけるための突起の金具がついている。この突起のついているペダルがビンディングペダルだ。これに対し、ほとんどの自転車のペダルはフラットペダルであり、滑らないような工夫はあるが、金具はついていない。
実際、足とペダルが固定されていると、ペダルを踏むときだけでなく、ペダルを引き上げるときにも力がかかるので、スピードを求める自転車競技には、必需品だ。
私自身、ロードバイクに乗る前にはそんなものは知らなかったし、知ってからも、乗り降りの時のクリートの着脱がうまくできないと、自転車もろともこけてしまうリスクがとても高く、競技にでるつもりのない自分には、全く不要のパーツと思っていた。さらに、クリートのついたバイクシューズは、靴の裏底がフラットでなく、シューズそのものも固くできているため、自転車を降りた時に普通に歩きにくいこともあって、完全に敬遠していた。

というわけで、ロードバイク歴1年半の私は、普通のスニーカーにフラットペダルで、何の問題もなく乗っていたんだけど、同時期に乗り始めた知人に、「ビンディングにしたら、めっちゃ楽になったよ~」といわれ、ちょっと気持ちが動いてしまった。そして、新しく、スニーカータイプのクリート付の靴が発売され、それであれば、歩くのは普通の靴とかわらないときき、ロングライドもこれからどんどん増やしていきたいし、よお~し、ビンディングに挑戦するぞ!ということになったわけである。

 先月参戦した、ツールド山口湾のロングコースでは、周りの参加者たちは、ほとんどがビンディングペダルだったが、6時間くらい走っていた間に、クリートがとっさに外せず、いわゆる「立ちごけ」をしてしまった人を3人目撃した。「あぁ、やっぱり足が外れないと、こけるよなあ・・・フラットペダルでこけたことがある私には無理かなあ」と、ちょっと気弱になってしまってはいたが、すでに、ペダルを注文したあとだったので、ペダルとシューズが届くのを待っていた。

そして、ついに、注文したものが届いた。そこで、上記のお兄さんの言葉となったわけである。

今日はその新しいシューズを履き、初めてのライド。
ペダルは、フラット面とビンディング面の裏と表で両方使えるタイプなので、まずは、ペダルをフラット面にして、車のこない少し広いスペースまで移動。その後、クリートをカチッとはめて数メートル乗り、止まりながらクリートを外して降りるという練習を30分。
右利きのせいか、左足の外反母趾がひどいせいか、右の着脱はまあまあすっとできるけど、左がなかなか思うようにいかない。クリートは一番ゆるく、外しやすい固定にしてあるはずなのに、何でこんなに固いの~

しばらく練習して、コツがなんとなくつかめたところで、こける怖さをいだきつつ、いつも走っている防府と山口の境、千切峠まで行ってみることに。
なんせ、信号がほとんどないので、乗り降りもあまりない。乗り降りがなければ、クリートを外す必要がないので、まあ、こけることもない。こうなったら、ビンディングの利点、ペダルを引き上げるときに力を加えて、坂を上ることに集中するっきゃない。
あまり、楽になったという気はしないけど、いつも苦しむ上り坂の距離が、気のせいか短く感じる。そして、ハアハアいいながら、ついに峠のてっぺんに差し掛かり、サイクルコンピューターを見る。
時速10.6㎞!!
初めて、この坂を時速10㎞切らないで上れたぞ!!
ビンディング万歳!!