院長の「JoJoブログ」

東京百景

2015-07-23 10:04:01投稿

ピース又吉さんが芥川賞を受賞したとことが、結構な話題になっている。
芸人としての活躍を、全く知らない私が、彼の存在を知ったのは、半年くらい前?に、作品「火花」が評判がいいということをNHKのニュースで見た時だ。
その時の印象としては、芸人っていろんな人がいるんだなぁといったもので、その「火花」を読んでみようとまでは、思っていなかった。
というのが、大体、話題作というのは、読んでみて、読んでよかったという感想を持つことが少ないのが、私のホンネであり、所詮、芸能人が書いた小説なんて・・・という気持ちもあったからというのが正直なところ。
数年前の村上春樹氏の「1Q84」にしても、大作家の大傑作だから読まないと流行に後れてしまうと、半ば義務感に駆られて書店に出向き、増刷後のものを買って読んだけど、あまりにすごい比喩表現がいたるところにちりばめられている文章そのものには感動したものの、ストーリー的には、私好みからかけ離れ、「こんなに読むのに疲れる本、読まなくてよかった」と思ってしまった。
ま、何事も、好みというものがあるので、村上文学が好きな人は好きなんだろうとは思う。

というわけで、「火花」のことも、あまり関心がなかったけれど、なんと芥川賞まで受賞してしまったからには、かなり気になってしまって、やっぱり一度読んでみなきゃと思い、書店に出かけてみた。
しか~し
さすが、ミリオンセラー、どこの本屋に行っても売り切れ。
売上第1位と書いてあるポスターははってあるものの、肝心の本はなし。
現在も、増刷に増刷を重ねているみたいで、1週間も待てば、手に入るようなので、もう少し、待つことに・・・

ただ、又吉直樹という人物を全く知らないので、「火花」以前に、いくつかエッセイを書いているということを知り、エッセイなら読みやすいだろうからと考え、Amazonで、検索してみた。これまた、芥川賞のあと、同じようなことを考えている人が多いようで、いくつかの本は、新品は手に入らない状態。それでも、何か1冊くらいは読もうと、古本販売のルートから手に入れた彼のエッセイ集、「東京百景」

 読んでみて、エッセイなのに、表現が複雑で、何やら神秘的というか、凡人には想像しえない彼の空想の世界に圧倒された。読んでいる側の胸が苦しくなるような自意識に対する感覚・・・私なんかには到底真似できない文章力は、10年以上も続いたお金がない生活と、膨大な読書量がうんだ賜物なんだろうと想像がつく。過去に話題になったような、芸能人やスポーツ選手の書いたエッセイとはかけ離れたレベルのものだった。

私自身、文章を読むのも書くのも、結構好きだけど、自分の国語力は、中の中レベル。このブログにしても、彼に見習って、もう少し、豊かな表現を使えるようになりたいと、一晩で読み終えた276ページだった。