院長の「JoJoブログ」

横綱

2016-02-12 23:13:58投稿

去年の9月に、サイクリング仲間と美祢方面にロードバイクで出かけたとき、結構なアップダウンがあり、止まらずついていくのが精いっぱいだった私。その時、仲間の一人が、「今日の坂は、まぁ、小結くらいかな。近場では、なんといっても、横綱は大平山!」と言っていたのが、防府市民としては、ずっと気になっていた。

昨日、ひさしぶりに、休日に天気がよく、時間もあったので、ロードバイクで一人で出かけることに。
特に行くあてもなく、適当に2時間くらい走ろうと防府市内をうろうろしていると、天気がいいので大平山がきれいに見える。ちょっと横綱にチャレンジしてみようかな・・・

軽い気持ちで、山方面に向かう。距離的には近いから、ふもとにはすぐに到着。私に横綱が倒せるとは思えないけど、ま、行けるところまで行ってみよう。
防府に住んで3年目のころ、大平山に行ったとき、途中でロープウェイが突然止まり、宙ぶらりんのまま30分程度閉じ込められたという、恐ろしい経験をしたので、それ以来、山頂に上ったことがない。今はもう、ロープウェイも廃止されたことだし、別に怖いところでもないんだから、かつてのロープウェイ乗り場まで行ってみて、上れそうになかったら引き返せばいいか・・・
山頂まで6㎞の表示をみたあたりから、少しずつ、傾斜が付き始めた。ギアを軽くして進むには進むけど、山に入る前からこんなにギアチェンジしてたら、すぐにギアがつきてしまうよなと思いはするものの、そうしないと進めない。せめてロープウェイ乗り場までと思いながら、必死でペダルをこぐ。だんだん坂道らしくなっていって、スピードが落ちるばかり。サイクルコンピューターの時速表示は、5km。歩いたほうがまし。
本格的な坂道に入る前に漕いでもまっすぐ進まなくなったので、バイクをおりた。少し平坦な所に出るまで、押して上ることにして、汗だくの体で、とぼとぼ歩く。「無理ってわかってて来るから、こんな情けないことになるんだよな・・・」
しばらく行くと、霊園入口の看板。道が少し平坦になっていたので、スポーツドリンクを補給して上着を1枚脱いで、リュックに詰め込んだ。そうしながら、上着を脱いだということは、まだ上る気が残ってるってことだよなと自分で自分に問いかけながら、霊園の下で、防府市内を見渡す。
「もうちょっと、頑張ってみよう。」
再び、バイクにまたがり、ほんの少しある下りを利用して、勢いを付ける。その勢いを何とか保って、上ってやるぞと必死で漕ぐも、数10メートルで、歩くスピードに・・・そして、ロープウェイ乗り場を指す矢印を見つけたものの、その矢印方向の道はさらに傾斜がきつい。
「ロープウェイ乗り場からが本当の坂道だよな。そこからが横綱本番なのに、その手前までもいけないなんて・・・」
リタイアを決意。

下りは漕ぐ必要がないので、リュックに入れた上着をまた着て、ブレーキをかけながら、ゆっくりと坂を下りる。途中、明らかに閉経後と思われる女性(婦人科医的表現!)がすいすい自転車で上ってくるのに、すれ違う。「ぎょっ!何であのおばさんが・・・」と思ったら、自転車にはモーターがついていた。私も、あれつけたらのぼれるだろうなぁ。それはそれで、かっこ悪いけど・・・でも、このロードバイクじゃ、せいぜい、小結くらいの坂道しかのぼれないんだよなぁ。ヒルクライムレースに出るような人じゃないと、横綱にチャレンジするのは無理無理。いつかは上りたいと思うことすら、もうかなわないな・・・

分不相応と知りながらのトライとはいえ、山頂までの1/4も上らず諦めざるを得なかった今回のひとりサイクリング。平地に降りてきた後も、さえない気分でなんとなく走り、帰路についた。