院長の「JoJoブログ」

年賀状

2016-12-26 23:41:55投稿

12月になると、義務感におそわれて毎年していることといえば、自宅のイルミネーション飾りと年賀状つくりだ。
ここで、”年賀状書き”としないところがミソ。
最近、テレビをつけると、あちこちのチャンネルで、嵐のメンバーが、郵便局のCMで、年賀状を出そう、書こうと言っているけれど、決して年賀状を”つくろう”とは言っていない。

もともと、年賀状という風習は、平安時代の書状による新年のあいさつから端を発しているらしく、相当な歴史があるそうだ。明治維新以降に、郵便制度が発達して、書状のかわりにハガキが使われるようになってからは急速に広まったらしい。当初は、1月1日に受け付けて、後日の配達という仕組みだったのが、数が多くて郵便局が対応できなくなり、年末に受け付けて、元旦に郵送するようになったとのこと。お年玉付き年賀はがきができたのは1956年で、すでに60年もたっている。

古き良き伝統を受け継ぐ日本人の一人として、私も、もの心ついたころから、毎年12月は年賀状を書いてきたと思う。
学生時代までは、書いても数枚か10数枚だったけれど、医療界に入ってからは、さすがに数枚とはいかなくなり、だんだんと数が増えた。ただ、私が社会人になったころには、まだワープロもそれほど普及していなかったし、毎年、文具店で、賀詞と干支のゴム印を買ってきて押し、あとは手書きで作っていたような気がする。
それも、結構、労力を費やすので、やっぱり、印刷の方が楽だよねということで、家庭を持ってからは、よくある、お気に入りの写真を1枚持って行って、店で印刷してもらうというパターンが何年か続いた。
その後、ワープロではなく、ハガキつくり専用の器械なども登場したが、インクジェットプリンターできれいに速く印刷できるようになり、さらに、はがきもインクジェット用になってからは、パソコンで作って、自分で印刷するのが、我が家の定番となり、12年前からは、毎年、パワーポイントで作成している。

高校時代、一応、美術部だった自分としては、毎年それなりにデザインを考えて、家族の写真や干支のイラストをあーでもない、こーでもないと、画面上で動かし、仕事バージョン、親戚バージョンなど、家族の分も含めて、毎年6パターンくらいつくる。まさに、それは”つくっている”のであって、書いているのではない。つくることにすべての労力を費やし、いざ、出来上がってみると、もう何もする気がおこらない。

年賀状の目的は、1枚、1枚、受け取る人の顔を思い浮かべながら、一言ずつ書き添えていって、新しい年の幸せを願うことなのではないかと思うが、”つくる”ことが主体となったこの年末の行事には、本来の意味が失われているよなと思う。年賀状だけの付き合いの人というのも、意味があるんだろうかとふと思ったり。
平成生まれの人たちは、SNSなどのやり取りで、新年の挨拶をすますことも多いという。
毎年、いつまでこれを続けるのかなと思いつつ、辞める勇気もない私。