院長の「JoJoブログ」

平成とともに

2019-04-14 22:48:50投稿

週末、産婦人科医としては、一番大きな学会、日本産科婦人科学会(日産婦)に参加するため、名古屋に行ってきた。私が産婦人科医になったのは、平成2年で、ついに今年で30年目に突入、日産婦も私にとっては、30回目になる。まさに、平成とともに歩んできた、この30年、日産婦も時代とともにかわったなあと実感することになった。

これまでの学会の半分くらいは、首都圏で行われ、隔年で関西か地方都市で開催される流れが大体できている。私は学会員として30回のうち20数回参加していると思うけど、名古屋で参加するのは、初めてかも。規模が大きくなっていたり、国際的な位置づけから、英語の演題、発表が増えていたりするため、開催する側も、大変なので、以前はスポンサー頼みだった学会も、最近はイベント会社に委託されているようだし、山口のような田舎では、全く対応できないので、必然的に大都市のみでの開催になる。

日産婦は、女性医師の割合が私の後輩世代から急に増えてきたため、他の医学学会に先駆けて、学会中に託児所を設けるようになっている。専門医の単位取得のために、学会参加は不可欠で、子どもがいて学会出席がままならないママさんドクターに配慮してのことだ。
今回参加してみて、普通、学会場で見かけることはほとんどない、小さな子供を何人もみかけたのは、ホント時代がかわったなあと実感する最たることだった。偶然、医局の後輩ドクターに会場で会ったが、彼女も子どもを連れていた。託児のある学会だけは参加するようにしているとのこと。子どもが大きくなって、もう少し気軽に学会参加ができるようになる日がそのうち来るよと子育て終了の立場で伝える私。いつも色んな託児所にあずけられ慣れたその子は、きっとたくましく育っていくに違いないと確信した。

託児のこととは、関係ないけれど、今回の学会は、スマホのアプリでなんでも用を足すことができたのも、新しい時代を実感。ほんの数年前まで、学会にまじめに参加しようと思えば、分厚い抄録集を抱えて、演者の名前を索引で調べたり、プログラムページをコピーして折りたたんで持ち歩いたりするのが普通だったのに、今やスマホさえあれば、あとは何にもいらず。学会がつくったアプリをダウンロードしておけば、抄録だって好きな時に読めるし、自分が聴きたい演題を登録しておけば、その講演がどこの会場で(今回の学会では、第1~12会場まであり)何時何分から始まるのかプッシュ通知される。おまけにランチョンセミナーの参加予約(弁当確保目的)もアプリで自分のネームカードのQRコードをスキャンすることで可能。予約した画面がセミナー参加eチケットになり、弁当をうけとるのに、スマホ画面を見せるのでOKだなんて、3年前ですら、想像もできなかった。スマホを持って3年もたたない私だけど、今や、スマホを持っていないと、学会にも参加できないんだということが判明。

平成の始まりとともに、産婦人科医なった私。平成の終わりとともに、医師としての進歩をおわらせないようにしなきゃ。令和時代には、若い産婦人科女性医師がもっともっと活躍してくれるだろうけれど、限りなく進化する次の時代に、30年目の産婦人科医だって乗り遅れないようにしないといけないなと考えさせられた名古屋での3日間だった。