院長の「JoJoブログ」

神戸ルミナリエ

2019-12-15 20:27:40投稿

土曜日にNSCAジャパンというスポーツ関連組織のセミナーに講師として参加する機会があり、神戸に行ってきた。
神戸は親戚もあることから、毎年数回は訪れる街だけれど、25年前の震災の時は、震災の1か月後に在来線経由で訪れ、三宮、須磨、長田のあたりの被害を目の当たりにして、言葉を失ったことを今でも鮮明に記憶している。その震災の記憶を次世代に語り継ぎ、神戸のまちと市民の夢と希望を象徴する行事として開催されたのが神戸ルミナリエだ。
はじめは震災の年の終わりに1回限りの予定だったこの行事、イタリアからやってきた荘厳な光の芸術に、大きな感動をよび、会期終了直後から継続を求める声が寄せられて、今回25回目の開催となっているとのことだ。ここ数年は、毎年のように、今年で最後といううわさが飛び交うらしいけれど、今や神戸の風物詩になってしまい、なかなか終わることがないようだ。実際、訪れる若者たちの大半は、震災を知らないと思うし、ただの人混みだけのお祭り行事と化している部分も否めないようではある。
個人的には、一度は、見に行ってみたいなと思っていたけれど、年末年始の休みではなく、12月前半の2週間だけの開催なので、なかなか訪れるチャンスがなかった。神戸に住む親せき、家族によると、「あんなもん、人が多いだけで、行く気にならない」とか、「大名行列のようにそぞろ歩くだけ」とかいう話をきいており、人が多いのが嫌いな神戸市民は行かないのが普通らしいとは知っていたが、今回、たまたま仕事で行くことになった日が、ルミナリエの開催中だということに気づいたので、よし、行ってみようということになった。
会場は、神戸の繁華街、三宮を中心とした商業施設やオフィスビルが並ぶ道路沿いだけど、JR線の三宮駅の一つとなり、元町駅から歩いて会場に向かう一方通行でしか見ることはできない。なんせ、多い日は、1晩で50万人が訪れるというから、交通規制が大変なのだ。
夜10時までということだったので、終わりごろなら人が少しは少ないだろうと、9時すぎに、元町駅に到着。そこからは、数メートルおきにたつ、交通整理の人の指示でひたすら歩くのみ。駅を出たところからまっすぐはすすめず、右に数十メートルいって、Uターンするという幅7~8ḿの歩行レーンが作られていて集団に沿って進む。”これが噂の大名行列ね・・・遅い時間のはずなのに、人多いじゃん。もしかして、これでもすくなくなってるのかなぁ"
200mくらい行列にしたがって歩くと、「ルミナリエまで10分」と手書きの表示。とにかく、前の人が進む方向にひたすら歩くのみ。元町から三宮に入り、ファッションブランドのビルが立ち並ぶ通りを曲がると、ようやく、光のアーチが見えた。思わずスマホを取り出し、パシャパシャ始める人、人、人。そして、交通整理の人の「立ち止まって写真を撮らないでください。止まらず前に進んでください。」の声が、数秒おきに聞こえてくる。それでも、スマホのシャッター音はなりっぱなし。私も、シャッターをきる瞬間だけ止まって何枚か撮る。そうこうするうちに、光のアーチの中に入ると、逆に明るすぎて、昼間のような通りになる。それでもひたすら、「前に進んでください」DSC_1288.JPG (8.22 MB)

このケタ違いの構造物をつくるには、さぞかしお金と時間と人手がかかると思うのだが、基本的に、普通の道沿いに作られているので、入場料などはない。だから、毎年、今年で終わりと叫ばれるんだろうけど、道沿いには、「来年も開催できるように、募金をお願いします」とのことで、募金箱を持っている人がこれまた数メートルおきに立っている。財布をみると500円玉がひとつあったので、募金箱に近づくと、「100円募金」と書いてあった。500円だけど、ま、いっか。と箱に入れると、お礼の名刺サイズのカードをくれた。これを持っていれば、次々と現れる募金箱を無視しても許されるわと、しばらくカードをわざともって歩くことにした。

巨大な門状の光の壁がが3連続き、最後は、東遊園地のメモリアルゾーンにやってきた。今回は25回目ということで、特別に、高さ21mのドーム状の作品が、聖堂のように設置されていた。ドームの中にも入れるようだけれど、とにかく、人、人、人。
とてもきれいで、一見の価値はあると思うけれど、一晩で50万人以上の人が並んで歩くという大名行列は1回でいいかな・・・というのが感想でした。

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