院長の「JoJoブログ」

フォーム改造

2022-03-06 23:30:10投稿

球春到来!
プロ野球のオープン戦が始まり、ニュース番組のスポーツコーナーの時間だけ、ちょっと一息つける感じ。
この世のものとは思えない、戦禍の映像を毎日見ていると、少しでも明るい話題に逃げてしまいたくなってしまう。
オープン戦の時期は、主力にとっては、調整期間だし、新人や、昨年2軍暮らしの選手たちにとっては、ひたすらアピールするのみ。プロ選手である以上、昨年に比べ、少しでもよい成績が残せるよう、練習するのは、誰でも同じだけれど、テレビでよく取り上げられるのは、”フォーム改造に取り組んでいる”という話題。
巨人の4番バッター、岡本選手は、長打力はあるけれど、打率が悪いので、そのため軸足の開く角度を小さくするスタンスに改造したら、このオープン戦でミート率が高くなったらしい。バッターだけでなく、ピッチャーにしても、脚を上げるときの2段モーションを変えたとか、バックスイングを小さくしたとか、昨年の映像と今年の映像を並べて説明する解説を何人か見た。ま、ほんとにそれで成績が上がったかどうかは、シーズンが終わってみないことには、わかんないんだけど、野球にしろ、陸上にしろ、ある程度のレベルでプレイしているスポーツ選手が、これまで築いてきたフォームを変えるというのは、並大抵のことではないと思う。
フォームといっても、無意識のうちに癖になっているものも多いと思う。癖というのは、自分では気づきにくいものだし、この時に肘を曲げる癖だの、右と左のアンバランスが癖になっているだの、スポーツにおいて、癖という言葉が使われるときには、あまりいい意味のものではないと思う。そもそも、”癖を直す”というくらいだから、スポーツに限らず、よくない癖は直したほうがいいのは当然だ。
スポーツ選手のフォーム改造という話と比べるレベルのものではないが、最近、自分もフォーム改造というか、癖を直すことに取り組んでいる。
何の癖かというと、椅子に座った時に、左手を椅子の座面においているか、左脚(大腿から臀部あたり)の下に敷くという癖だ。普段の診療において、電子カルテを使っているときに、ワープロを打つのは、10本指を使うので、左手も忙しくしているのだが、マウス操作のみですむ時は、右手だけが机の上にあり、左手は、左大腿あたりの椅子の上に置いている。もちろん、無意識。診察室の椅子の座面の左側が10㎝四方くらいの範囲で色が変わっているので、いつもそこに手があるというのは、気づいてはいた。見た目に椅子が汚いとは思っていたし、気づいたらそこに左手があったのはわかっていたけれど、それを直そうとしたことはなかった。なぜなら、誰にも迷惑をかけていないし、困ることはなかったから・・・
今年になって、怪我で右手首を固定する羽目になってから、右利きなのに、左手でやらざるを得ないことが多くなった。これまで無意識に休んでいた左手が活躍することで、左手が座面にある時に比べて、背筋が伸びることに気づいた。考えてみると当たり前なのだが、患者さんに画像所見を説明するときも、無意識に左手をお尻に敷いていたことで、姿勢が悪くなっていたのだ。固定が外れて、右手の活躍度が元に戻ってきても、気づいたら、左手が座面にあるので「いかん、フォーム改造だ!」と、そのたびに自分に言い聞かせるようになった。
こうして、フォーム改造計画が実行され始めると、車の運転中も、信号のない一本道を走っているときなど、ハンドルを右手だけでもち、左手がお尻の下にあることも自覚されるようになった。フォーム改造イクオール姿勢をよくすることだと考え、いまだ道半ばで、完全改造が達成されることは、ないかもしれないけれど、気づいたら直すというのを、これからも続けなくてはなと思っている。
でも、なくて七癖っていうくらいだし、アスリートのフォーム改造とは訳が違うんだし、いつまで意識できるかなぁ・・・