院長の「JoJoブログ」

常識のブレーキをはずせ

2022-04-24 13:51:00投稿

将棋界の天才、藤井聡太5冠とノーベル賞学者、山中伸弥氏の対談を書いた本「挑戦 常識のブレーキをはずせ」を読んだ。
研究者と騎士。分野は違っても、過酷な競争世界の最前線で、前人未到の挑戦を続ける二人の日常、メンタル、AIとの向き合い方などが語られている。
藤井騎士については、2冠をとったころから、彼に関する書籍を結構読んでいるので、その後も、活躍が気になっている私。将棋のことは、まったく知らないけれど、自分の息子よりも若い彼の活躍が、ニュースになるたび、親になった気分でうれしく思っている。
山中先生については、まったくおこがましいことだけど、医者としては、同世代だし、2013年の大阪マラソンを一緒に(!)走った(同じ大会に出ていただけ)ということで、勝手に親しみを持っている。

将棋でいえば、定跡といわれる手からは誰も想像できない一手を打つということが、常識のブレーキを外すこと。けれど、藤井5冠の中には、そもそも定跡という概念はなく、日々、AIの示す手だったり、データなどを研究しつつ、常にその時の最善の手を打っているということだ。これまで、数々の名勝負に勝ったあとのインタビューでも、いつも、「将棋が強くなりたい」と言っていて、誰に勝つとか、何冠とるとかではなく、究極の強さを求めているというのだ。おそらく、彼の活躍を知るほとんどの人が、そのうち8冠すべてとるだろうと思っていると思うけど、究極の強さのレベルってどういうのだろう・・・と凡人は悩む。

二人の対談といっても、かたやアラカン、かたやティーンエイジャーで、親子以上の年の差があって、山中先生からみれば、明らかに子供相手。なのに、将棋界のトップから、いろんなことを学ぼうとする姿勢を対談の中から随所に感じ取ることができた。特にAIについて語るところでは、研究では、膨大なデータ処理をAIでやってもらう感じなのに対し、将棋では、AIで自由度を上げるという、AIから学んで、より強い将棋を打てるようになるという考えにとても共感されていたようだ。

もともと、人と違うことをするのが好きだった私。というか、人と同じが嫌だった子供時代。目立ったり、ウケたりするというのも、ある意味、常識を外れるということ。最近では、日ハムのBIGBOSSがその典型だけれど、彼の活躍もまた、私としては、密に期待している。
”非常識”というのは、あまりよくないけれど、”常識のブレーキをはずす”ことで、人生が豊かになるのではないかというのが、読後感。