院長の「JoJoブログ」

時代を切り開いた女性たち

2022-06-20 23:44:27投稿

ここ1か月くらい、私の読書熱が高めになり、Amazonの誘いに乗って、次々とクリックしてしまったこともあるけれど、何冊が続けて、時代を切り開いた女性たちの著書を電子書籍で読んでいる。
戦後から昭和にかけて、良妻賢母が何よりも女性の幸せと考えられていた時代から、平成の男女共同参画社会、令和のジェンダーフリー社会へと移り変わってきた中で、様々な分野で女性初と言われた人たちの活躍は、どうしても自分に重なるものがあって、興味がある。
代表的なベストセラー「女性の品格」の著者、坂東眞理子さん、「おひとりさま」という言葉を作り出した社会学者、上野千鶴子さん、評論家で高齢社会をよくする女性の会理事長、樋口恵子さん、82歳でiPhoneアプリを開発した世界最高齢のプログラマー、若宮正子さん。
いずれも、70歳を超えてからもずっと社会人として現役で活躍されている女性で、もちろん、著書が何冊も出ている方々なので、まったく”普通の人”とは言えないけれど、その考え方を本で読むと、元気になれる。

私が産婦人科医になった時(平成2年)でさえ、24時間拘束されるお産をみるなんて、女の仕事じゃないと言われていたくらいだけど、高度経済成長期の真っただ中に社会人になった彼女たちの立場は、そんなものではなかったことが本を読むとよくわかる。なんせ、普通の会社には、女性の定年は決められてなかったそうだ。結婚したらやめるので、それが、定年という意味。そして、同期の男性には配られた会社の営業マニュアルも女性に配られることはなかったとのこと。彼女たちの活躍は、”女だてらに”といわれて、鼻で笑われたんだろうなということは、容易に想像がつく。
日本という国は、現在も、女性の地位が低い国として、世界に名をはせているけれど、実際、日本語には、それを如実に表す言葉がたくさんあるなといつも思う。
例えば・・・
女医はあるけど、男医はない。
女流棋士、女流作家、などなど、女流という言葉はあるけど、男流という言葉は聞いたことがない。
女性初、とか日本人初、はニュースでよく聞くけれど、男性初というのを聞いた覚えがない。
平成になってから、看護婦⇒看護師、保健婦⇒保健師、助産婦⇒助産師、保母⇒保育士と、女性だけの仕事じゃないぞと呼び名が変わったことは、とてもよいことだけど、変わったときには、多くの日本人は違和感を覚えたのも事実。中学校の授業が、私の時代には、女子は家庭科、男子は技術と、そういえば分かれていたよなと思い出し、今回読んだ本の中で、その区別をなくす運動があったことを知った。
そして、未だに、賄い婦、家政婦など、婦がとれない言葉もたくさんあり、正に、女性は家庭に閉じこもっていればよい的な用語。家事、育児については、男性がすれば、イクメンなどといわれて、持ち上げられる。あくまでも、男性がすれば「よく手伝ってくれる夫」であり、女性が家事をしなければ、「家事をおろそかにする妻」になってしまう日本社会をどうにかしてほしいと思っているのは、私だけだろうか?

とりあえず、子供を二人産んで、フルタイムの仕事を30年続けてきた自分としても、何年も前から男社会で生きてきた先輩たちは、憧れでもあり、今後の自分の人生のお手本にしたいと思う。
彼女たちに共通するのは、圧倒的なポジティブシンキング。そして、他人からどう思われるかということを、全く気にしていないということだと思った。そして、いつか老いて動けなくなった時には、時代を切り開いた女性だからこそ、強気にならず、素直に介護してもらいたいと考えておられるのも、人生100年時代に大事なことだと思わされた。